歯の根の病気のお話です。/北千住の歯医者さんのお話
2016年10月18日
むし歯で歯に穴があいたのを放置したまま我慢していると、いつの間にか痛みがなくなってしまいます。でもこれは治ったわけではありません。むし歯は自然治癒することはありません。実はあなたの歯は放置していたために根の先の病気になっているかもしれないのです。
【 きっかけはむし歯 】
むし歯はプラークが歯の表面に付着して、ある一定の時間留まることで歯を溶かして(脱灰)穴をあけて、歯がボロボロになっていくことをお話ししました。むし歯が進行していくと歯髄に届きます。歯髄組織の中にさまざまな病原菌がひとたび侵入して来ると歯髄組織に炎症が起こるため、歯髄組織中の神経が悲鳴をあげて、歯がシクシク、またはズキズキと痛みます。生きている歯髄が苦しんで、助けを求めている証拠なのです。なぜなら歯髄組織は、根の先の穴から歯根膜やその先の脳とつながっていて、痛みの情報を脳に伝えているからです。
しかしそれを放置したままにしておくと、歯髄は病原菌に侵され死んでしまうのです。やがて神経組織は腐り、歯髄組織だったところが病原菌だらけの巣になってしまいます。さらに病原菌は歯根の外へ出てさらに巣を作り、根の周りの歯根膜や骨を溶かしはじめます。根尖病巣の中身は白血球の死骸である膿や壊された周囲の組織の残骸、病原菌などです。この病巣は放置しているとしだいに大きくなっていきます。かんだときや歯の根のあたりを押すと、痛んだり、膿が出てきたりして不調を訴えるようになりますが、慢性化しているので大きく痛んだりはしないかもしれません。しかし時として膿が出ることができなくてかんだときや何もしないでも激痛が生じるようになり、歯医者さんに駆け込むことになったりします。
【 根の病気の治療法 】
これら歯の根の先の病気を治すには、まずむし歯を取り除くとともに、ばい菌によって腐ってしまった汚染された歯髄をきれいに掃除して、歯の中を病原菌のいない清潔な環境に変えてあげる必要があります。病気が進みすぎると、歯ぐきを切って膿を出したり病原菌を撃退するために化膿止めの薬を飲んだりすることもあります。北千住の佐野歯科医院では、これら根の先の病気にならないための予防歯科を推進しております。また不幸にも根の先の病気にかかられました方には、根管治療を行いながら少しでも痛みを和らげられるよう心がけて診療いたしております。