デンタルチェアって何❓/北千住の歯医者さんのお話です。
2017年07月20日
皆さんが歯医者さんに来たらに必ず座る診療用の椅子のお話をします。デンタルチェアまたはユニットとも呼んでいます。実はこのチェアは、患者さんにとっては快適でかつ歯科医師にとっては診療しやすい、工夫が施されています。チェアをつくっている会社や治療目的で、形や機器の構成は異なりますが、基本的なスタイルは大きく変わりはありません。
【テーブル】
皆さんが腰掛けるチェアの右側に伸びるテーブルが見られます。この上には、5点セットが乗せられ、レントゲンを見るためのモニタや薬瓶、ガスバーナーが配置されています。必要な時に点火されタイマーで自動的に切ったりします。テーブルのすぐ下側には、歯や材料を削ったりするタービンや、エンジンなどがあるのですが、これについては別にお話します。
【ライト】
寝そべるとすぐ上に口の中を照らすためのライトがみられます。このライトは、電球を後ろ向きに光らせ、鏡に跳ね返ってから口の中を照らすようになっており、鏡も多面的に反射させているので、口の中を影が出来にくくかつ強烈な明るさを感じさせないように工夫が施されています。スイッチも、ライトの本体の他に、チェアを横にするスイッチと連動して、診療姿勢になったときに自動的に点灯するものもあります。手を触れただけで点灯するものもあります。
【コップ周辺】
左を見ると、コップがおかれています。うがいをするためにコップを手に取り中の水を口に含んだりしてふたたびコップを置くとコップの水位や重さの変化をセンサーがキャッチし自動的にコップに水が満たされるようにしてくれます。また水をはき出す場所をスピットンと呼びます。うがいの際に水がはねにくい構造になっています。はきだしたものをきれいに洗い流してくれる水の出口がついています。
【バキュームなど】
さらに、左側には診療を介助するスタッフが使用できるように、空気や水を出すスリーウェイシリンジやたまった唾液や水、歯の削りかす、薬液などを掃除機のように吸いとるバキュームがおかれています。また、吸い込む力は小さいのですが排唾管と呼ばれるものも付属しています。これらを駆使して、治療の際に少しでも患者さまに負担をかけないように工夫されているのです。
【デンタルチェア】
皆さんがお掛けになる椅子のお話です。以前は歯科医師が立って診療をする立位診療が主流でしたが、現在では患者さんを水平に寝かせて歯科医師が座って診療をする座位診療に変わってきております。そしてその椅子は患者さんの寝心地がよいように、人間工学を配慮して作っております。座位診療が可能になったことにより歯科医師は患者さんの頭の真後ろにきたり、反対側に回ったり治療部位や治療内容によって自由自在に移動できるようになりました。と同時に歯科衛生士たちもそれに対応して、器具の受け渡しや診療介助が迅速に対応出来、フォアハンド診療と言って4つの手がいつも患者さまに対応できることでより的確に手際よくなり、患者さまが不快な時間を短縮さうることができるようになりました。さらに、チェアは医師の足で好きな角度、高さに操作できるようにフットスイッチが付けられていますが、スイッチを診療で汚れた指で触ることを避ける工夫だったりします。